Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選
野村 胡堂
Lee 奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 31.249 caracteres · 62 pantallas
三
飛出した金三郎は、物置へ行ったらしく、まもなく手頃な金梃を持って来ました。それを戸と敷居の間に噛ませて、三人の力を併せると、板戸はさすがにメリメリと音を立てながら、敷居から二枚もろに外れてしまい、行燈の灯で照らされた、中はまさに血の海。
「あッ」
内儀のお駒は、その中に俯伏せに崩折れているではありませんか。
三
「こんなわけだ、親分、ともかくも行って見て下さい」
八五郎が平次の家へ飛んで来たのは、まだ夜半前、馬のように達者なくせに、息せき切って、これだけ説明するのもかなり手間取ります。
「それだけの話じゃ間違いもなく自害じゃないか。お前一人で御検死まで埒を明けるが宜い。この真夜中に俺を引っぱり出すのは殺生だぜ」
叩き起された平次は、はなはだ以て不服そうです。横着をきめているようですが、実は十手捕縄を預かっている八五郎に、たまには独り立ちの仕事をさせてみたかったのでしょう。
「でも、腑に落ちないことはたくさんあるんですぜ、親分。あっしもずいぶん自害をした女も見たが、あんなのは、どう考えたって自害じゃありませんよ」
「フーム」
「第一、自害にしちゃもがき過ぎだし、刃物がまるっきり違います」