Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選
野村 胡堂
Lee 奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 31.249 caracteres · 62 pantallas
四
四
自身番には、腰縄を打ったやくざの万次が預けてありました。二十五六のいなせな男で、物言いもハキハキして、いかにも若い町娘に好かれそうですが、才気走っておっちょこちょいで、あまり頼母し気ではありません。
「お前は清水屋のお君を殺した疑いで縛られていることは知ってるだろうな」
平次は万次の顔を見ると、いきなりこう突っ込んだことを訊くのでした。
「親分、あっしがそんな馬鹿なことをするかしないか、よく考えて下さい。昨夜お君と夜逃げをして、小田原まで飛ぶつもりで、支度までした者が、その相手を殺してもいいものでしょうか。親分」
万次は泣き出しそうな声を出すのでした。
「それじゃお君を怨んでいる者の心当りがあるだろう、――お君は不断そんな話をしなかったのか」
「お君はそう言いましたよ。私を一番怨んでいるのは、伊賀井様の奥方だろう――と、私のために気が変になったというから、義理にも同じ屋根の下には住めない――とも言っていました」
「清水屋の養子の市太郎のことは、何と言っていた」
「心の中では私を怨んでいるだろうが、顔色にも出さないから、あの人は気味が悪い、――でもあの人は、どうかしたら妹のお吉の方を好きかもしれない――そんなことも言っていました」