Clásicos japoneses con furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Lee 婦系図 (おんなけいず) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 172.760 caracteres · 343 pantallas
なぜこっちから尋ねんのだ。こんな稼業だから、暇が無い。行通はしないでも、居処が分らんじゃ、近火はどうする! 火事見舞に町内の頭も遣らん、そんな仲よしがあるものか、薄情だよ、水臭いよ。」
姉さんの震えるのを見て、身から出た主税は堪りかねて、
「先生、」
と呼んだが、心ばかりで、この声は口へは出なかった。
酒井は耳にも掛けないで、
「済まん事さ、俺も他人でないお前を、薄情者にはしたくないから、居処を教えてやろう。
堀の内へでも参詣る時は道順だ。煎餅の袋でも持って尋ねてやれ。おい、蔦吉は、当時飯田町五丁目の早瀬主税の処に居るよ。」
真蒼になって、
「先生、」
「早瀬!」
と一声屹となって、膝を向けると、疾風一陣、黒雲を捲いて、三世相を飛ばし来って、主税の前へはたと落した。
眼の光射るがごとく
「見ろ! 野郎は、素袷のすッとこ被よ。婦は編笠を着て三味線を持った、その門附の絵のある処が、お前たちの相性だ。はじめから承知だろう。今更本郷くんだりの俺の縄張内を胡乱ついて、三世相の盗人覗きをするにゃ当るまい。
その間抜けさ加減だから、露店の亭主に馬鹿にされるんだ。立派な土百姓になりゃあがったな、田舎漢め!」