Clásicos japoneses con furigana
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よめとりむことり
嫁取婿取
佐々木 邦
Lee 嫁取婿取 (よめとりむことり) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 85.654 caracteres · 175 pantallas
春子さんが里へ帰ると、お父さんは必ず、
「何うだね? 三郎は」
と訊く。
「カチン/\よ」
と春子さんは答える。
「しかし堅いに越したことはない」
「それは然うですけれど」
「勉強だろう? 相変らず」
「えゝ。閑さえあれば、机に坐ったきりですわ」
「能く続くよ」
「私、この間見ましたら、御本に一々何年何月何日読破って書いてありましたのよ」
「几帳面だね」
「書斎の中がキチンとして、まるで書割のようですわ」
「家の俊一なぞは些っと三郎の爪垢を貰って煎じて飲むと宜いんだよ」
とお父さんは長船君を推賞する。婿に花を持たせる積りで家のものを貶すのだが、度重なると、俊一君は面白くない。昨今は三郎君に反感を持って、
「お母さん、一体全体高円寺の角張りは僕の弟ですか? 兄さんですか?」
なぞと時折お母さんに絡みかゝる。
「弟のことは分っているじゃありませんか? お前の妹の春子の婿ですもの」
「しかし些っとも弟らしくしませんよ」
「兄さん/\と呼んでいるじゃないの?」
「表面は兄さんと呼んでも、自分の方が兄さんの積りですよ」
「そんなことはないでしょう」
「いゝえ。お父さんが角張りばかり褒めるからいけないんです」