Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Lee 孤島の鬼 (ことうのおに) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 181.795 caracteres · 359 pantallas

Aozora Bunko

諸戸の顔は赤黒く光って見えた。それに、蝋燭の火が顎の下にあるものだから、顔の陰影が逆になって、頬と目の上に、見馴れぬ影が出来、何だか別人の感じがした。物云う度に、黒い穴の様な口が、異様に大きく開いた。

蝋燭の弱い光はやっと一間四方を明るくする丈けで、岩の色も定かには分らなんだが、真白な天井が気味悪くでこぼこになって、その突出した部分から、ポタリポタリと雫が垂れている様な箇所もあった。一種の鍾乳洞である。

やがて道は下り坂になった。気味の悪い程、いつまでも下へ下へと降りて行った。

私の目の前に、諸戸の真黒な姿が、左右に揺れながら進んで行った。左右に揺れる度に彼の手にした蝋燭の焔がチロチロと隠顕した。ボンヤリと赤黒く見えるでこぼこの岩肌が、あとへあとへと、頭の上を通り越して行く様に見えた。

暫くすると、進むに従って、上も横も、岩肌が段々眼界から遠ざかって行く様に見えた。地底の広間の一つにぶっつかったのである。ふと気がつくと、その時、私の手の縄の玉は殆どなくなっていた。

「アッ、縄がない」

私は思わず口走った。そんなに大きな声を出したのではなかったのに、ガーンと耳に響いて、大きな音がした。