Clásicos japoneses con furigana
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あんごじんせいあんない
安吾人生案内
Lee 安吾人生案内 (あんごじんせいあんない) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 13.066 caracteres · 26 pantallas
「実に菊乃は唐人伝奇中の人物である」
と仰有る。
つまり芸者ともあろう下賤の者が自分のような大学者の妻となり、古の殿様の謡曲の席に同席するに至ったのが、唐人伝奇中の人物に当るという意味であるらしい。ウヌボレの無邪気なのも結構であるが、当の菊乃さんにとって、このウヌボレの無邪気きわまるものが、どう響いたであろうか。暗澹たる心中、察するに余りあるではないか。
先生の菊乃さんへの愛情は一途なものであったろうが、芸者たりし故に賤の女と見、自分の妻となったのは名誉この上もなく、死すとも瞑すべきであるとなすような考えも、これまた牢固たる先生の本音であり、しかも、それすらも愛情のアカシであり、ノロケのタネであった。
自分の愛がいかに高く深いか。それを証するものが、この賤の女をわが女房としてやったことである。この一事こそ至高の愛の証拠であり、お前は唐人伝奇中の人物、死しても瞑すべきではないかという。
愛されることが、口惜しく、癪にさわり、腹が立ち、我慢ができなくなるのが当然ではありませんか。憎悪にかられるのが当然でしょう。しかも当の本人は、自分が恋人をこの上もなく傷つけているのが分らないぐらい無邪気なのだ。