Clásicos japoneses con furigana
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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
Lee 寺田寅彦随筆集 第二巻 (えいがじだい) de 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 207.099 caracteres · 419 pantallas
夏になると裏の畑に縁台を持ち出して、そこで夜ふけるまで子供を肴にして酒をのんでいた。どうかすると、そこで酔い倒れてしまったのを、おおぜいで寝間までかつぎ込んだものである。どうかするときげんのよくない時もあって、そういう時は子供らは近づいてはいけない事になっていた。
春田は十二三年前に五十余歳で喉頭癌のためにたおれた。私の見た義兄は、珍しく透明な、いい頭をもっていて、世態人情の奥の底を見透していた人のように思われる。それでいてほとんど俗世の何事も知らないような飄逸なふうがあった。
郷里の親戚や知人の家へ行けば、今でも春田のかいた四君子や山水の絵の襖や屏風が見られる。私はそれを見るたびに、楊枝をかみながら絵絹に対している春田居士を思い浮かべる。その幻像の周囲にはいつものどかな春の光がある。
亮の生まれた時の事を私は夢のように覚えている。当時亮の家には腸チブスがはいって来て彼の兄や祖母や叔父が相次いで床についていたので、彼の母はその生家、すなわち私の家に来て産褥についた。姉の寝ていた枕もとのすすけた襖に、巌と竹を描いた墨絵の張りつけてあった事だけが、今でもはっきり頭に残っている。