Clásicos japoneses con furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Lee 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) de 正岡 容 (まさおかいるる) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 163.270 caracteres · 325 pantallas
ほんとに何て雑炊なんだろう、ありゃ。
阿父さんがよく宿酔のとき、深川茶漬といって浅蜊のおじやみたいなものをこしらえ、その上へパラリと浅草海苔をふりかけたのをよくお相伴させて貰った。けれどあれとこれとじゃうんてんばんてんの違いがあらあ。
ひでえにもひどくねえにも、よく仲間がやる落語に「万金丹」てのがあって、道に迷った江戸っ子二人、山寺へ一夜の宿を借りると、世にも奇妙な味の雑炊をたべさせられる。
しかもときどき舌へ絡みつくものがあるので、
「何ですこれは」
と和尚様に訊くと、
「藁だよそれは」
「エ、藁?」
「ウム」
ニッコリと和尚様は笑って、
「お前その藁をたべるとお腹ン中がよく暖まる」
「壁じゃあるめえし」
というくすぐりがある。
何のことはない、その藁入りの雑炊もかくやとばかりのここのお寺の雑炊だ。
とすると俺たちもおっつけ壁になる口か。
いや、なるかもしれない。
ほんとに――ほんとにこんなお寺の生活なんて、しんからしんじつつまらなくって、壁も壁も大壁みたようなものだろう。そうしてこの自分もまた、次第にその大壁の中へ塗りこめられていく一人となるのだろう。