Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
しょうしょうしげもとのはは
少将滋幹の母
谷崎 潤一郎
Lee 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 83.234 caracteres · 160 pantallas
たまには伺候することもあったが、帰りにいつもの局へは間違っても足を向けず、そっちは鬼門だと、自分で自分に云い聞かして、すうっと出て来るようにしていた。と、その後又幾月か過ぎて、或る五月雨の降る晩であった。久振に御前で夜を更かしてから出て来ると、宵のうちは入梅らしくしょぼ/\降っていた雨が、俄かに大降りに降り出したので、此の雨を衝いて自分の家まで帰るのはえらく煩わしい気がしたが、その時ふっと、こう云う晩にかの人のもとを訪れてみたら、と、急に平中はそう思いついた。それと云うのが、考えれば忌ま/\しいけれども、いったいかの人の此の間のようなやり方は、悪ふざけにしても少しく念が入り過ぎている。凡そ相手が左様に手の込んだ懊らし方をすると云うのは、彼を嫌っているのではなくて、彼に興味を抱いている證拠ではないのか。あたしはそこらの人たちのように、あなたの名を聞いて直ぐ嬉しがるような女ではない、と云うところを見せたいのであろうが、一往その意地を通しさえすればよいのではないか。―――平中の腹の底には矢張そう云う風な己惚れがあるので、あれ程にされてもなお懲りず、まだほんとうには諦めていなかったのであった。