Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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やねうらのさんぽしゃ

屋根裏の散歩者

江戸川 乱歩

Lee 屋根裏の散歩者 (やねうらのさんぽしゃ) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 28.862 caracteres · 57 pantallas

Aozora Bunko

仮令遠藤が自殺したのでないということが分っても、彼がその下手人だと疑われる様な証拠は、一つもない筈ですから、そんなに心配しなくともよさそうなものですが、でも、それを知っているのがあの明智だと思うと、なかなか安心は出来ないのです。

ところが、それから半月ばかりは何事もなく過去って了いました。心配していた明智もその後一度もやって来ないのです。

「ヤレヤレ、これで愈々大団円か」

そこで三郎は、遂に気を許す様になりました。そして、時々恐ろしい夢に悩まされることはあっても、大体に於て、愉快な日々を送ることが出来たのです。殊に彼を喜ばせたのは、あの殺人罪を犯して以来というもの、これまで少しも興味を感じなかった色々な遊びが、不思議と面白くなって来たことです。それ故、この頃では、毎日の様に、彼は家を外にして、遊び廻っているのでした。

ある日のこと、三郎はその日も外で夜を更かして、十時頃に家へ帰ったのですが、さて寝ることにして、蒲団を出す為に、何気なく、スーッと押入れの襖を開いた時でした。

「ワッ」

彼はいきなり恐ろしい叫声を上げて、二三歩あとへよろめきました。

彼は夢を見ていたのでしょうか。