Clásicos japoneses con furigana
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やまをおもう
山を思う
石川 欣一
Lee 山を思う (やまをおもう) de 石川 欣一 (いしかわきんいち) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 79.814 caracteres · 157 pantallas
藤原盆と「心」
石斧、石鏃、石匙、繩紋のある土器の破片、動物の骨等がこゝから出るのである。赤城の裾に住んでいた太古の人々、かれ等の生活、恋愛……泥だらけな手でバットを吸いながら、われわれはとりとめもない話にふけった。
藤原盆と「心」
何百年か前に建てられたまゝの、釘をまるで使わず、何から何までくさびどめのUの家の一間で、言葉は出せず、ウーンとうなって、目の前の壁に立てかけられた、驚嘆すべき品物を見た。ほかでもない木の盆で……。
直径は三尺にあまる。丸く、菊の花のような模様がついている。が、これ、模様というような生やさしいものではない。熟達の生む恐るべき正確と放胆とを以て、中心から外辺へ、力まかせに刀で刳った痕跡である。そしてそれに塗った漆の色は、いさゝか唐突で気恥かしいが、最も佳良なダンヒルのパイプが持つ、あの濃赤紫である。これこそ腕力の工芸品、見て力を感じる。
大利根の原流地、二千メートルを越える山々の麓にかたまった藤原の部落、鬱蒼たる処女林の中で、霧の深い朝夕、山刀をたっつけの腰に結びつけた男が、グイグイと木を刳ってこれを作ったのだ。大小角円いろいろな盆、相当の数に達すると背に負って、湯檜曾へ三里、沼田へ八里、売りに出たのを、人々は別に何とも思わず買い求めては使用し、使用しては壊していた。