Clásicos japoneses con furigana
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ぎゅうじん
山月記・李陵 他九篇
Lee 山月記・李陵 他九篇 (ぎゅうじん) de Nakajima Atsushi (中島 敦) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 41.608 caracteres · 84 pantallas
午近く、船は珊瑚礁の罅隙の水道を通って湾に入った。S島だ。黒き小ナポレオンのいるというエルバ島である。
低い・全然丘の無い・小さな珊瑚島だ。緩く半円を描いた渚の砂は――珊瑚の屑は、余りにも真白で眼に痛い。年老いた椰子樹の列が青い昼の光の中に亭々と聳え立ち、その下に隠見する土人の小舎がひどく低く小さく見える。二、三十人の土民男女が浜に出て、眼をしかめたり小手を翳したりしながら、我々の船の方を見ている。
潮の関係で、突堤には着けられなかった。岸から半丁ほど離れて船が泊ると、迎えの独木舟が三隻水を切って近寄った。見事に赤銅色をした逞しい男が、真赤な褌一つで漕いで来る。近付くと、彼らの耳に黒い耳輪の下っているのが見えた。
「では、行って来ます」と警官はヘルメットを手に取りながら挨拶し、巡警を従えて甲板から降りて行った。
この島には三時間しか泊らないことになっている。私は上陸しないことにした。ひとえに暑さを恐れたためである。
昼食を下で済ませてから、また甲板へ上って来た。外海の濃藍色とは全然違って、堡礁内の水は、乳に溶かした翡翠だ。船の影になった所は、厚い硝子の切断部のような色合に、特に澄み透って見える。