Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

さんけいにいくるひとびと

山谿に生くる人々

葉山 嘉樹

Lee 山谿に生くる人々 (さんけいにいくるひとびと) de 葉山 嘉樹 (はやまよしき) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 33.699 caracteres · 67 pantallas

Aozora Bunko

ところが、坂田の自己紹介は、紹介の限度を飛び越して、自分褒め、自惚れになってしまうのだった。「それ位の事は、許してやらなければ、坂田は生きて行く空はあるまい」

と、仲間たちは、皆心の底から深い同情を以て聞いていたし、毎々の者は聞く振りをして、外の事を考えていてやったのである。

ところが、お睦は坂田の自己紹介が気に入らなかったのである。

もっとも、後になって、これは坂田も、お睦も、二人が一緒になりでもしたら、大変なことになったであろう。と、覚ったらしく、坂田は、「あんなやりっ放しのお喋舌を嬶にしたら、それこそ一生の不作だったよ」

と言い出して、すっかり諦めて、お睦が、男から男へと追っかけ廻るのを、嫉きもしないで、ただ、不快そうに眺めていた。

お睦は「××は自分の絶対自由である」と確信していたらしい。いや、そんなことはまるっ切り考えなかったのであろう。そんな風な女がどうかするとあるものである。

笹本が、「一廻りして来たい。大井川の発電所に世話焼で使ってくれる口ができた」

と言って、小林に暇をもらうように申し出て、その送別会なんかを開き、さて出発して後のお睦の様子には、まるで淋しいなんて風な気持は見出せなかった。