Clásicos japoneses con furigana
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げんだん
幻談・観画談 他三篇
幸田 露伴
Lee 幻談・観画談 他三篇 (げんだん) de 幸田 露伴 (こうだろはん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 80.544 caracteres · 161 pantallas
兄さん、済まないけれどもネ、お前の坐っているところを、右へでも左へでも宜いから、一間半か二間ばかり退いておくれでないか。そこは私が坐るつもりにしてあるところだから。
と、自分では出来るだけ言葉を柔しくして言ったのであった。
すると少年の面上には明らかに反抗の色が上った。言葉は何も出さなかったが、眼の中には威をあらわした。言葉が発されたなら明らかにそれは拒絶の言葉でなくて、何の言葉がその眼の中の或物に伴なおうやと感じられた。仕方がないから自分は自分の意を徹しようとするために再び言葉を費さざるを得なかった。
兄さん、失敬なことを言う勝手な奴だと怒ってくれないでおくれ。お前の竿の先の見当の真直のところを御覧。そら彼処に古い「出し杭」が列んで、乱杭になっているだろう。その中の一本の杭の横に大きな南京釘が打ってあるのが見えるだろう。あの釘はわたしが打ったのだよ。あすこへ釘を打って、それへ竿をもたせると宜いと考えたので、わたしが家から釘とげんのうとを持って来て、わざわざ舟を借りて彼処へ行って、そして考え定めたところへあの釘を打ったのだよ。それから此処へ来る度にわたしはあの釘へわたしの竿を掛けてあの乱杭の外へ鉤を出して釣るのだよ。