Clásicos japoneses con furigana
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しきぶこうじ
式部小路
泉 鏡花
Lee 式部小路 (しきぶこうじ) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 74.847 caracteres · 149 pantallas
五
」
「いったがね、何かい、筋が悪いのかい。」と斜に重忠という身で尋ねる。
「悪いの何の! から、手のつけられた代物じゃないんですよ。」
「ゆするの?」
「いいえ、ゆするも、ゆすらないも、飲んだくれ、酒ッ癖の悪い、持て余しものなんでさ。私どもの社会ですがね。」
「おや、やっぱり、床屋さん。」
「床屋にも何にも、下町じゃ何てますか、山手じゃ、皆が火の玉の愛吉ッていいましてね、険難な野郎でさ。」
五
「三厘でもありさえすりゃ、中汲だろうが、焼酎だろうが、徳利の口へ杉箸を突込んで、ぐらぐら沸え立たせた、ピンと来て、脳天へ沁みます、そのね、私等で御覧なさい、香を嗅いだばかりで、ぐらぐらと眩暈がして、背後へ倒れそうなやつを、湯呑水呑で煽りやがるんで、身体中の血が燃えてまさ。
ですから、おかみさん、ちょっとでもあン畜生に触るが最後、直に誰でも火傷をします。火の玉のような奴で、東京中の床屋という床屋、一軒残らず手を焼いてしまったんで、どこへ行っても店口から水をぶッかけて追い出すッて工合ですから、しばらくね、消えました。
多日、誰の処へも彼奴の影が見えねえで、洗桶から火の粉を吹き出さないもんですから、おやおや、どこへ潜ったろう、と初手の中は不気味でね。