Clásicos japoneses con furigana
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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
Lee 復員殺人事件 (ふくいんさつじんじけん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 96.621 caracteres · 195 pantallas
「そして、どこへ行ったね」
「熱海へ泊ったよ」
「旅館の名は?」
「ナニ、友達のうちさ。オレの先輩だよ。元フェザー級ボクサー、目下共産党員のヤミ屋さ。島田芳次といえば、新興成金で、熱海では売れた顔だよ。七八年前オレにボクシングの手ほどきをしてくれた恩人さ」
「島芳かい。この土地の男じゃないか」
「そうさ。ボクサー兼一パイ飲み屋をやっていたね。ボクシングとビールの味を教えてくれたオレの先生さ。今は熱海でいい顔だぜ。今に共産党から代議士にでるらしいね」
「君も共産党かい」
「共産党じゃファイトマネーの値上げ運動まではやってくれないらしいよ。ボクシングで食えなくなったら、共産党に入党してテキハツをやるかも知れないよ。今のところは自由党さ」
「いつ事件を知ったんだい」
「今朝の新聞さ。島芳が見せてくれたのさ」
「ホホウ。今朝まで島芳のウチにいたのかね」
「左様。十八日の夜中から、昨日今日と三日間ね。一歩も外へでず、さ」
「ラジオでは昨日の正午から放送している筈だが、誰かきいて教えてくれそうなものじゃないか。君のウチの事件だぜ」
「共産党はラジオをきかないらしいよ。俗事を考えないのさ。