Clásicos japoneses con furigana
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ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
Lee 復員殺人事件 (ふくいんさつじんじけん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 96.621 caracteres · 195 pantallas
重吉は又、夜になると、便所へ立たず、平気で窓からジャア/\やった。それを咎める者があっても、なアに、オレが毎日掃除する庭だから、明日は又、オレがキレイに掃除するから心配しなさんな。アンタも、窓から、やりなさい。オレがキレイに掃除してやるから、と、平然として答えるだけであった。相手が公一のようなヒステリックな怒り方、叱り方であれば、彼はそう答えてから、クルリとふりむいて、ブッと屁をたれるだけのことであった。
重吉の野放図な性格は、変な風に形をかえて、倅の久七に遺伝していた。石頭と持ち前の怪力はオヤジそっくりであったが、無口で、殆ど笑わなかった。たゞ彼の負け嫌いと執念深さは、尋常一様のものではなかった。あるとき、久七が井戸のツルベの綱を切らして、落してしまったことがあった。その井戸は庭の撒水用のものであったが、久七は面倒くさくなって、水道の水を代用した。それを見ていた公一が、例のカンシャクを起して、
「キサマ、ツルベを落して、そのまゝにほったらかして、後で水が汲めんじゃないか」
と、怒鳴りつけた。
「なに、汲めますさ」
久七は平然たるものだった。公一がいきり立ったのは無理がない。