Clásicos japoneses con furigana
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かいいくろひめおろし
怪異黒姫おろし
江見 水蔭
Lee 怪異黒姫おろし (かいいくろひめおろし) de 江見 水蔭 (えみすいいん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 12.963 caracteres · 26 pantallas
それはもう夜明近かった。
これを見て、狂するばかりに喜んだ洞斎老人、余りの嬉しさに胸が躍って急にガックリ打倒れた。それは正しく中気が出たのだ。
「御心確かにお持ちなされませ」
「おー」
舌が縺れて思う事を口に出しては云えなかった。併しそのふるえる片手や、うっとりした目つきからで、黄金残らず取出すまでは、滅多に死なぬという表現をした。
滝之助は苦心に苦心を重ねて、幾回にも残りの黄金を持運んだ。それには二日二夜掛ったのであった。
ガッカリしたのは滝之助ばかりでは無かった。洞斎老人も安心して、それからは昏々として眠るばかり。遂にその翌日、帰らぬ旅へと立ったのであった。
滝之助はこの結果、思いも懸けぬ大金持の一人となったのであった。
六
世に越前家と云うは徳川家康の第二子結城宰相秀康。その七十五万石の相続者三河守忠直は、乱心と有って豊後に遷され、配所に於て悲惨なる死を遂げた。一子仙千代、二十五万石に減封されて越前福井より越後高田に移され、越後守光長とは名乗ったものの、もとより幼少。その母こそは二代将軍秀忠の第三女、世にいう高田殿(俗説吉田御殿の主人公)。