Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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かいいくろひめおろし

怪異黒姫おろし

江見 水蔭

Lee 怪異黒姫おろし (かいいくろひめおろし) de 江見 水蔭 (えみすいいん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 12.963 caracteres · 26 pantallas

Aozora Bunko

老女笹尾を筆頭としてお供の女中残らずが、黒姫の裾野の怪旋風に両眼殆ど潰れたも同然、表方の侍とても皆その通りで、典薬が手当も効を見ず、涙が出て留度が無かった。

されば本陣御着にても、御湯浴、御召替、御食事など、お側小姓も、お付女中も、手の出しようが無い為に、異例では有るが本陣の娘、宿役人の娘など急に集めて、御給仕だけはさせたのであった。

「駕籠の戸を笹尾が早う閉じたので、妾だけは目を痛めなんだ。したが、皆の者、今宵は早う眠るが好い、左様致したなら翌日は治ろう。好う一畑の薬師如来を信仰せよ」

御後室はそう云って、自分にも早くより蚊帳を吊らせ、寝所にと入られたのであった。

高田を立って二日目、女中達は皆足を痛めている上に、眼まで今日は痛めたので、行燈の光さえ眼眩しいところから、宿直の人を残して、いずれも割当てられた部屋部屋へ引下った。

お次の間には老女笹尾が御添寝を承わり、その又次の間が当番の腰元二人、綾女、縫女というのが紅絹の片で眼を押えながら宿直に当った。

この土地冬は雪多く、夏は又蚊が少くないのであった。団扇使いは御寝の妨げと差控え、その代り名香をふんだんに、蚊遣り火の如く焚くのは怠らなかった。