Clásicos japoneses con furigana
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うらみなきさつじん
恨なき殺人
宮島 資夫
Lee 恨なき殺人 (うらみなきさつじん) de 宮島 資夫 (みやじますけお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 27.611 caracteres · 56 pantallas
坑夫は彼の顔を見ると、
「池田さんの鬼踊りはなかなかうまいもんだね」と言ってよくひやかした。――
「帰りがおそくなるといけないから出掛けましょう」と萩野が言ったので、彼等はまたその森を出た。
旧坑と言うのは、低い小山の中腹にあった。長い間人目にふれなかったものらしく、坑口の周囲には灌木が一杯に生い茂って、坑内にはまだ入口から水が沢山たまっていた。彼等は黙って少時其処に立っていた。やがて奥の方で、カンテラの光りがチラチラとして、水を踏む音がジャブジャブと聞えると、土を盛った※を担いだ泥だらけの男が二人出て来た。山裾の方へ土をはねてから、二人は見馴れない者が立っているのを、けげんらしく眺めてまた奥に入って行った。
「入ってみべえ」と萩野は三田を顎でしゃくった。けれども池田は、その古臭い水の溜っているのを見ると、中に入る気にはならなかった。
「どんなだか見て来てくれないか」と萩野に言って、坑口の側の小高い草叢にまた寝ころんだ。彼はいつ止す事か解らないと思うと、こうして少しの安息をでも得たがっていた。
萩野は先きに立って、坑内に入って行った。暗になれた彼等は、カンテラもなしで奥の方へ進んで行った。