Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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あくむ

悪夢

豊島 与志雄

Lee 悪夢 (あくむ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 15.930 caracteres · 32 pantallas

Aozora Bunko

それは肺病やみらしく痩せ細ってる、背広をつけた中年の男だった。古ぼけた麦稈帽の下から、日に透したら血管が浮いていそうな耳朶と、艶のない蒼ざめた頬の皮膚とが、ちらちらと見えていて、そのあたりへ、私の眼は熱っぽく据えられており、私の両の拳は、懐の中で握りしめられていた。私はその男の横っ面を、がーんと一つ引っ叩いてやるつもりだったらしい。何故だったか?……余りに人間が多すぎる。機械的な生活に窒息されかかってる人間が多すぎる。そして、この男も自分自身も、余りに惨めすぎる。出口がほしい、この息苦しさからの出口がほしい……。そういった感じに私は浸り込んでいた。

その時、私はふと足を止めた。眼の前の惨めな男を殴りつけるという意志に、次第にはっきり気付いてきて、実際それを決行するかも知れないという恐れから、無理に引離した自分の視線が、丁度向う側の、硝子器具を商う店の中に落ちたのだった。金魚鉢や其他の容器を並べた棚、コップの類を並べた棚、花瓶や電気の笠や其他の装飾品を並べた棚、一番奥には、鏡の類を立並べた台、その外いろんなものが所狭いまでに並んでいて、真中の上り框に、頭の頂の禿げかかった番頭が一人、ぽつねんと坐っていて、それらのものの上方に、幾つもの電燈が煌々とともされ――実を云うと、私はその時に初めて、もう電燈や瓦斯が