Clásicos japoneses con furigana
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げさくざんまい
戯作三昧
Lee 戯作三昧 (げさくざんまい) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 20.807 caracteres · 42 pantallas
「和泉屋さんが、お居間でお帰りをお待ちでございます。」と言った。
彼はうなずきながら、ぬれ手拭を杉の手に渡した。が、どうもすぐに書斎へは通りたくない。
「お百は。」
「御仏参においでになりました。」
「お路もいっしょか。」
「はい。坊ちゃんとごいっしょに。」
「伜は。」
「山本様へいらっしゃいました。」
家内は皆、留守である。彼はちょいと、失望に似た感じを味わった。そうしてしかたなく、玄関の隣にある書斎の襖を開けた。
開けてみると、そこには、色の白い、顔のてらてら光っている、どこか妙に取り澄ました男が、細い銀の煙管をくわえながら、端然と座敷のまん中に控えている。彼の書斎には石刷を貼った屏風と床にかけた紅楓黄菊の双幅とのほかに、装飾らしい装飾は一つもない。壁に沿うては、五十に余る本箱が、ただ古びた桐の色を、一面に寂しく並べている。障子の紙も貼ってから、一冬はもう越えたのであろう。切り貼りの点々とした白い上には、秋の日に照らされた破れ芭蕉の大きな影が、婆娑として斜めに映っている。それだけにこの客のぞろりとした服装が、いっそうまた周囲と釣り合わない。
「いや、先生、ようこそお帰り。