Clásicos japoneses con furigana
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みすじまちかいわい
斎藤茂吉随筆集
斎藤 茂吉
Lee 斎藤茂吉随筆集 (みすじまちかいわい) de 斎藤 茂吉 (さいとうもきち) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 17.559 caracteres · 37 pantallas
また若きより屡闘ひてしばしば負けたるものは、負けぐせつきて、痛を忍び勇みをなすといふことを知らず、まことはおのが力より劣れるほどの敵にあひても勝つことを得ざるものなり。鶏にても負けぐせつきたるをば、下鳥といひて世は甚だ疎む。人の負けぐせつきたるをば如何で愛で悦ばむ」というのがあって、私はこれをノオトに取って置いたことがある。この文は普通道徳家例えば『益軒十訓』などの文と違い実世間的な教訓を織りまぜたものであって、いつしか少年の私の心に沁み込んで行った。
吉原遊里の話も、ピンヘッド、ゴールデンバット、パイレートの煙草の香も、負ぐせのついた若鶏の話も、陸奥から出京した少年の心には同様の力を以て働きかけたものに相違ない。今はもはや追憶だから当にならぬようで存外当っている点がある。
五
私が東京に来て、連れて来た父がまだ家郷に帰らぬうちから、私は東京語の幾つかを教わった。醤油のことをムラサキという。餅のことをオカチンという。雪隠のことをハバカリという。そういうことを私は素直に受納れて今後東京弁を心掛けようと努めたのであった。
私が開成中学校に入学して、その時の漢文は『日本外史』