Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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きられたさに

斬られたさに

夢野 久作

Lee 斬られたさに (きられたさに) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 20.352 caracteres · 41 pantallas

Aozora Bunko

面目次第も御座いませぬ」

「イヤイヤ。それにしても流石は老練じゃ。並々の者に足跡を見せる女ではないわい」

「……ところでお言葉はお言葉と致しまして、ここに一つの不審が御座りまするが如何で御座りましょうか。御無礼とは存じますれど……」

「何の何の。何の遠慮が要ろう。何なりと存分に問うて見られい」

「ヘヘイ。有難う存じまする。それではお伺い申上げまするが、先生様が、石月様のお話から、仇討免状の正体カラクリを、お覚りになりました次第と申しまするは……」

「アハアハ。何事かと思うたればその事か。それなれば何でもない。他愛もない事じゃ」

「……と……仰せられまするは……」

「うむ。追ってお尋ねを受ける事と思うが、実は身共も少々あの女に掛り合いがあっての」

「ヘエッ。これは亦、思いも寄りませぬ」

「ほかでもない。忘れもせぬ昨年の十月の末の事じゃ。久方振りに殿の御用で江戸表へ参いっておる中に、あの願書の当の本人、友川矩行という若侍から父の仇敵と名乗り掛けられてのう……」

「ヘエッ。いよいよ以て不思議なお話……」

「おおさ。しかも馬場先の晴れの場所で、助太刀らしい武士が二人引添うておったが聊か肝を奪われたわい。