Clásicos japoneses con furigana
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
Lee 新潮記 (しんちょうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 155.541 caracteres · 305 pantallas
そしてなおも無遠慮にじろじろとみつめていた。
「おれは旅の者だよ、どうしてそんなにじろじろ見るんだ坊や」
「どうしてというのはこっちのことさ、どうして旅の者がこんなところに立って、ひとの家をこそこそ覗いているんだ」
「……これは坊やの家か」
「そうでなくってさ」
肩をあげて昂然と云い放ったところは、少年ながらなかなか烈しい気負いがみえる。秀之進はすぐに、これは藤田家の子息だと直感した。
「それでは云うが、実はおじさんは藤田先生にお眼にかかりたくて四国という遠い国からたずねて来たんだ、今日上市へ宿をとったばかりで、おたずねするのは明日にしたんだが、お屋敷だけでも見て置こうと思って此処まで来たんだよ」
「ふうん……」少年はじろっと見上げて、「そんなのがずいぶん来るからなあ、昨日も若狭から来たっていう人が泊っているし、それならいいがなかにはふといやつがいて、うっかりすると父上の寝首を掻きそうにする、この頃はゆだんがならないって、門人たちがよくそう云っているぜ」
彼はちょっと返答に困った。少年にしてはあまり鋭すぎる舌鋒に、秀之進が少しもてあましているところへ、「小四郎どこだ」