Clásicos japoneses con furigana
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
Lee 新潮記 (しんちょうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 155.541 caracteres · 305 pantallas
れたと信ずるんだ、或いはまたみんなと違う方向へ顔を向けることによって……その事の理由を究めずに、みんながそういうからそう信じ、或いはみんながそうだからといって異をたてる、これはわれわれの血にある悪い一面なんだ、夷狄を撃攘するという説は、徳川幕府伝統の鎖国論とおなじものであってはならない、なぜなら、鎖国はたしかに国家統一の役には立ったが一般文物の進展をおそろしく疎害した、国ぜんたいの福利よりも幕府政治の保全を至上に置いていたから、そしてわれわれは近年になってしばしば所謂夷狄の来航に遭い、はじめてわが文物の進展の遅れていること、しかもおそろしく遅れていることを教えられたのだ、天文のむかしかれらは鉄砲を齎しただけだったが、今はあらゆる科学文明の成果をひっさげて来る、徒らに撃ち払い令を出しただけでは、もはやかれらは黙ってひきさがりはしないのだ」
「きさまの議論は蒙昧から飛躍しすぎたぞ」
「いやそのことをいっているんだ、おのれを知らず敵を知らずして徒らに干戈を執るものは亡びる、おれが蒙昧といったのはその点なんだ、夷狄を撃ち払うといっても、寛永の鎖国当時とは根本的に彼我の差がある、その差をよく究めたうえで、その差の重大さをよく知ったうえでなくてはならぬと思うのだ」