Clásicos japoneses con furigana
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しんぱん ほうろうき
新版 放浪記
林 芙美子
Lee 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) de 林 芙美子 (はやしふみこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 247.330 caracteres · 497 pantallas
二人は幼稚園の子供のように
足並をそろえて街の片隅を歩いていた。
同じような運命を持った女が
同じように眼と眼とみあわせて淋しく笑ったのです。
なにくそ!
笑え! 笑え! 笑え!
たった二人の女が笑ったとて
つれない世間に遠慮は無用だ
私達も街の人達に負けないで
国へのお歳暮をしましょう。
鯛はいいな
甘い匂いが嬉しいのです
私の古里は遠い四国の海辺
そこには父もあり母もあり
家も垣根も井戸も樹木も
ねえ、小僧さん!
お江戸日本橋のマークのはいった
大きな広告を張って下さい
嬉しさをもたない父母が
どんなに喜んで遠い近所に吹ちょうして歩く事でしょう
――娘があなた、お江戸の日本橋から買って送って呉れましたが、まあ一ツお上りなして
ハイ……。
信州の山深い古里を持つかの女も
茶色のマントをふくらませ
いつもの白い歯で叫んだのです。
――明日は明日の風が吹くから、ありったけの銭で買って送りましょう……。
小僧さんの持っている木箱には
さつまあげ、鮭のごまふり、鯛の飴干し
二人は同じような笑いを感受しあって
日本橋に立ちました。
日本橋! 日本橋!
日本橋はよいところ
白い鴎が飛んでいた。
二人はなぜか淋しく手を握りあって歩いたのです。