Clásicos japoneses con furigana
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
Lee 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 93.562 caracteres · 179 pantallas
」と万事を察してお銚子を取りに立った。
客はひとり残されて、暗憺、憂愁、やるかたなく、つい、苦しまぎれのおならなど出て、それもつまらない思いで、立ち上って障子をあけて匂いを放散させ、
「あれわいさのさ。」と、つきもない小唄を口ずさんで見たが一向に気持が浮き立たず、やがて、三十九歳の蕾を相手に、がぶがぶ茶碗酒をあおっても、ただ両人まじめになるばかりで、顔を見合せては溜息をつき、
「まだ日が暮れぬか。」
「冗談でしょう。おひるにもなりません。」
「さてさて、日が永い。」
地獄の半日は、竜宮の百年千年。うで卵のげっぷばかり出て悲しさ限りなく、
「お前さんはもう帰れ。わしはこれから一寝入りだ。眼が覚めた頃には、お産もすんでいるだろう。」と、いまは、わが嘘にみずから苦笑し、ごろりと寝ころび、
「本当にもう、帰ってくれ。その顔を二度とふたたび見せてくれるな。」と力無い声で歎願した。
「ええ、帰ります。」と蕾は落ちついて、客のお膳の数の子を二つ三つ口にほうり込み、「ついでに、おひるごはんを、ここでごちそうになりましょう。」と言った。
客は眼をつぶっても眠られず、わが身がぐるぐる大渦巻の底にまき込まれるような気持で、ばたんばたんと寝返りを打ち、南無阿弥陀、と思わずお念仏が出た時、廊下に荒き足音がして、