Clásicos japoneses con furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Lee 日本婦道記 (にほんふどうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 13.649 caracteres · 27 pantallas
をするほうがよいと思うがな」
「それも考えてはみたのですが、やっぱり私には今の役目が身に合っていると思いますので……」
「だがそれでほんとうに満足していられるかな、機会はまたというわけにはゆかぬものだ、あとで悔やむようなことはないかな」
そこでぷつりと話しごえがとだえた。森閑と冴えた宵のしじまを縫って、廂を打つ雨の音がひっそりと聞える、ああ降りだした、弥生がそう思ったとき、三右衛門のしずかに口を切るのが聞えてきた。
「役所の事務というものは、どこに限らずたやすく練達できるものではございません、勘定所の、ことに御上納係は、その年どしの年貢割りをきめる重要な役目で、常づね農民と親しく接し、その郷、その村のじっさいの事情をよく知っていなければならぬ、これには年数と経験が絶対に必要です、単に豊凶をみわけるだけでも私は八年かかりました、そして現在では、私を措いてほかにこの役目を任すことのできる者はおりません、……それとも誰か私に代るべき人物がございましょうか」
「正直に申して代るべき者はない」
「……こんどの話がどうして始まったか、推挙して呉れる人の気持がどこにあるか、私にはよくわかっています」