Clásicos japoneses con furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Lee 日本婦道記 (にほんふどうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 11.547 caracteres · 23 pantallas
「それはよくよく考えてみたのです」
みよはしずかに、けれど心のきまったしっかりとした口調で云った、
「けれど百記は水野けんもつさまの御家臣でした、不運に死にはしても、百記の魂はかならずごしゅくんの御守護をしている筈です。わたくしは茅野百記の妻、安之助はその世継ぎなのです。たとえどのような重罪に問われましょうと、さむらいにはごしゅくんのおくにを離れてほかに生きる道はないのです、……主従は三世までというではないか」
六兵衛は両手で顔をおおい、こえをしのんでむせびあげた、さむらいの道のきびしさもさることながら、良人の魂の遺っている土地を去りがたい妻の心が、みよの言葉の裏にありありとうつってみえたのである。
「よくわかりました、そのお覚悟なればもうなにも申上げることはございません、お世話というほどのことはできませぬがお力の足しくらいにはなりまする、お心おきなくおいであそばしませ」
母子はその夜から六兵衛の世話になることになった。
家族は六兵衛と娘夫婦、それにまだ幼ない孫が二人あり、半自作のあまり豊かならぬ農家だったので、はじめから安閑としているつもりのなかったみよは、家人のとめるのもきかずに、あくる日から甲斐々々しく野良へ手伝いに出た。