Clásicos japoneses con furigana
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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
Lee 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 192.678 caracteres · 394 pantallas
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広栄の眼は次の一枚に往った。それは山田稔とした壮い俳優の自筆であった。広栄の顔は蒼黒くなっていた。
「どうだ、君、読んだのか」
広栄は何も云えなかった。
「おい、その小島杉としたのは、汝の処へ出入するお杉と云う婆さんだ、もっとも婆さんは、字が書けないと云うから、俺が書いてやったのだが、一つの山田稔と云うのは、本人が書いたのだ、品川にごろごろしてる馬の脚だ、それを婆さんが執りもって、ふざけた真似をさしていたのだ、おい、一昨日、媽あは、家にいなかったろう、どうだ、家にいたか」
広栄は眼を伏せていた。
「おい、汝の媽あは大森の魁春楼にいたのだが、判ってるか」
その時客座敷の背後の室には、お高がそっと立って耳をすましていたが、その詞を聞くなり、こそこそと室を出てどこへか往ってしまった。
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店頭にいた定七が婢が呼びに来たので、急いで番傘をさして街路へ出た。広巳が蛇目傘を担ぐようにさして、大森の方からふらふらと帰って来たところであった。
「広巳さん、若旦那」
広巳は酔っていた。広巳ははじめて定七を見つけた。
「ああ、定七か」
「定七かじゃありませんよ、どこにいらしたのです、心配しておりましたよ」