Clásicos japoneses con furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lee 日記 (にっき) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 65.193 caracteres · 131 pantallas
五月六日
其処に、深いシンセリティーが伴うから、読んで、文字の真実を感じずには居られない。彼が、不決断な文章の形、多くのクェスシオン・マークをつけないのも、一つの偉力となって居る。
「此等のことは、実際の上で教えることが多い」
五月六日 雨。
Aは、藤岡先生が、海外へ行かれる為、啓明会の書籍の事に就て、朝早く訪問に出かけた。
午後、丸善に行く。空には雲が出、危い天候に見える。始め、自分は躊躇した。Aは、どうしても晩迄は大丈夫だ、と行くことを主張する。此前の日曜か土曜、私共は三人で、玉川に出かけた。その日も雨が今にも降りそうに見え、私は鎌倉に雨合羽も置いてあるから止めましょう、と云ったのに、Aはガン張り、途中から雨に降られて少しは困り乍ら、雨中の風景を美しく眺めて来た。雨が降って困ることと、行ってよかったと云う感を比較すると、確に出てよかった。家から雨を冒してまでは出かけまいが、途中で降れば、十中八九は後戻りをしず、平常見ない情景に接し得るのだから。(ひどく功利的な考え方のように見えるけれども)
今日もその心持のつづきがあった。何故雨がいやかと云えば下駄や着物の裾の穢れることだけだ。