Clásicos japoneses con furigana
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めいじげきだん ランプのもとにて
明治劇談 ランプの下にて
岡本 綺堂
Lee 明治劇談 ランプの下にて (めいじげきだん ランプのもとにて) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 167.283 caracteres · 329 pantallas
金さんは芝居の草双紙のほかに、江戸時代の古い草双紙をいろいろ貸してくれた。いずれも例の又貸しであったが、その頃はどこの家にも二種や三種の古い草双紙類を所蔵していたので、湯屋へ来る客が皆それを持って来て、金さんに貸してやると同時に、自分も又貸しをしてもらうのである。つまり金さんを仲継ぎにして、たがいに草双紙の廻覧をやっていたようなわけで、わたしはそれがために草双紙の知識を随分あたえられた。そのなかで五柳亭徳升という人の書いた「西国奇談月廼夜神楽」という草双紙に、平家の官女玉虫が蟹に乗っている図があったので、その挿画が頭に残っていて、後年にわたしが「平家蟹」の戯曲をかく種となったのであった。
少年時代のわたしは一方にかなりの暴れ者であると同時に、また一方には頗る陰鬱な質で、子供のくせに薄暗いところに隠れて、なにか本でも読んでいる風であったから、金さんから借りた草双紙のなかでも怪談物を好んで読んだ。外国から帰った三番目の叔父をせがんで、西洋のお化けの話や、お化けの芝居の話を聞かせてもらうと、叔父はいつでも国王がお化けと問答をする話と、国王の息子が父の幽霊に出逢う話とを繰返して聞かせてくれた。