Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
はる
春
豊島 与志雄
Lee 春 (はる) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 10.464 caracteres · 21 pantallas
そこで和田弁太郎は眼を覚す。ぐっしょり汗をかいている。が、室内の空気も同じように汗をかいている。どんな不潔なものにもいきなりしゃぶりつきそうな、面皰顔の唇の厚い口、その六つの口から吐き出される息が、濛々と立罩めている。櫺子窓からさす廊下の明りがぼーっと曇っている。
そうなると益々眠れなくなる。何かしら汚い赤黒いものが、身体中にのたうち廻っている。
そして和田弁太郎は屡々寝室をぬけ出すのである。そして彼は考えるのである。――不思議な現象だ。俺は今迄、この寄宿舎の共同生活が少しも嫌ではなかった。それが、休暇に郷里へ帰ってから、俄に嫌で堪らなくなった。殊に夜の同室就寝は我慢が出来ない。何故だ。お梅の肉体を知ったせいだろうか。いや、お梅と俺との関係は、全く没精神的な汚らわしいものだ。友人との共同生活が厭わしくなるほど、それほど純なものでもなければ深いものでもない。友人との共同生活よりももっと、肉体的な汗ばんだものだ。してみると、この嫌厭は、何故だ、何故だ。
和田弁太郎は、考えあぐんで、そしてどうにもならなくて、益々蒼ざめていく。
そこで小説家は一寸話を切りました。