Clásicos japoneses con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lee 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 158.540 caracteres · 319 pantallas
けれども、親分、正直のところ、一度も悪いことはした覚えはありません。師匠はあの通りの病身ですし、わたくしもこの通り気の弱い方ですから、大師匠の眼を忍んで唯まあ打ち解けて話をするぐらいのことで……。それでもたった一度、去年の春でした。若い師匠と一緒にここに墓参りに来たことがありました。その時に師匠は、どうしても家にいられないことがあるから、どこへか連れて行ってくれと云うんです。今思えば、いっそその時に思い切ってどうかすればよかったんですが、わたくしも両親はあり、弟や妹はあり、それを打捨って駈け落ちをするわけにも行かないので、ともかくも師匠をなだめて無事に帰したんですが、それから間もなく師匠はどっと寝付くようになって、とうとうあんなことになってしまいました。それを考えると、わたくしは何だか師匠を見殺しにしたようで、明けても暮れても気が咎めてなりませんから、毎月その詫びながら墓参りには欠かさずに来るようにしています。唯それだけのことで、今度の大師匠のことには何にもかかり合いはありません。大師匠が蛇に殺されたと訊いた時には、わたくしは思わずぞっとしました。