Clásicos japoneses con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lee 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 158.540 caracteres · 319 pantallas
おちかもその帯を見て、これは娘の物に相違ないと泣きながら証明した。して見ると、何者かがおみよを絞め殺して、その帯を解いて抱え出して、わざわざ帯取りの池へ投げ込んだものであろう。しかし、なんの為に彼女の帯を解いたか、慾の為ならばこの家内にもっと金目の品は幾らもある。彼女の帯ばかりでなく、着物をも剥いで行きそうなものであるのに、単に帯ばかりに眼をつけて、しかも場所をえらんで、それを帯取りの池へ沈めたというには何か深い仔細がなければならない。まさかに池の主が美しいおみよを魅こんだ訳でもあるまい。どう考えても、この疑問がまだ容易に解けそうもなかった。
こうなると近所迷惑で、長屋中のものはみな自身番の取り調べをうけた。取り分けて母のおちかは、自分が娘を絞め殺して置いて、わざと家を留守にしていたのではないかという疑いをうけて、そのなかでも一番厳重に吟味されたが、おちかは全くなんにも知らないと云い張った。近所の人達も母子が二人づれで出て行くところを見とどけたと証明した。ことにこの母子はふだんから仲好しで、おふくろが娘を殺すような理由は誰の眼にも発見されなかった。