Clásicos japoneses con furigana
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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
Lee 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.
N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 67.333 caracteres · 134 pantallas
そして、一太郎君の拡大鏡を、横からのぞきこみながら、
「君、なにをしているの?」「なにが見えるの?」と口々にたずねるのでした。
「君たち知ってるかい。これ指紋っていうんだよ。みんな自分の指の先を見てごらん。きれいなうずまきになっているだろう。このうずまきは、人によってみんなちがうんだって。何千人、何万人よっても、同じうずまきなんて、一つもないんだって。人間は、一人一人顔がちがうように、指のうずまきもちがっているんだよ。君たちもこのガラスに、うずまきをうつして見るといいや。こうしてね、両手の親指をおしつけるんだよ。親指のうずまきが一等はっきりうつるから」
一太郎君が、いかにもおもしろそうに、やって見せるものですから、みんなもそのまねをして、前のガラスにハーッと息をかけて、両手の親指をおしつけました。少したって、息のくもりが消えると、うずまきのあとも見えなくなってしまいますが、又、ハーッと息をかけると、ありありとあらわれて来るのです。
みんなは次々と、一太郎君の拡大鏡をかりて、自分の指のあとと、お友だちの指のあとをくらべたりして、おもしろがっていましたが、やがてそれにもあきると、六人は一太郎君を残して、どこかへ行ってしまいました。