Clásicos japoneses con furigana
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きのこせっぽう
木の子説法
泉 鏡花
Lee 木の子説法 (きのこせっぽう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 17.107 caracteres · 34 pantallas
――膝股をかくすものを、腰から釣したように、乳を包んだだけで。……あとはただ真白な……冷い……のです。冷い、と極めたのは妙ですけれども、飢えて空腹くっているんだから、夏でも火気はありますまい。死ぎわに熱でも出なければ――しかし、若いから、そんなに痩せ細ったほどではありません。中肉で、脚のすらりと、小股のしまった、瓜ざね顔で、鼻筋の通った、目の大い、無口で、それで、ものいいのきっぱりした、少し言葉尻の上る、声に歯ぎれの嶮のある、しかし、気の優しい、私より四つ五つ年上で――ただうつくしいというより仇っぽい婦人だったんです。何しろその体裁ですから、すなおな髪を引詰めて櫛巻でいましたが、生際が薄青いくらい、襟脚が透通って、日南では消えそうに、おくれ毛ばかり艶々として、涙でしょう、濡れている。悲惨な事には、水ばかり飲むものだから、身籠ったようにかえってふくれて、下腹のゆいめなぞは、乳の下を縊ったようでしたよ。
空腹にこたえがないと、つよく紐をしめますから、男だって。……
お雪さん――と言いました。その大切な乳をかくす古手拭は、膚に合った綺麗好きで、腰のも一所に、ただ洗いただ洗いするんですから、油旱の炎熱で、銀粉のようににじむ汗に、ちらちらと紗のように靡きました。