Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

やなぎばしものがたり

柳橋物語

山本 周五郎

Lee 柳橋物語 (やなぎばしものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 104.300 caracteres · 202 pantallas

Aozora Bunko

ところがこんどは幸太の子を産んだと云う、そして、おれはこの眼でその子を見たんだ」

「そんな話、どこから、誰がそんなことを云ったの」

「おまえとは筋向いにいた人間さ、始終おまえのようすを見ることのできる者さ、云ってやろうか、……山崎屋の権二郎だよ」

おせんはようやく理解した。庄吉が自分を訪ねて来なかったわけ、とびつきもせず、よろこびの色もみせないわけが。それどころかたいへんな思い違いをして、自分との仲がめちゃめちゃになろうとさえしていることを。

――どう云ったらいいだろう、権二郎、ああ、あの頃からもう告げ口をしていたんだ、大阪へ飛脚でゆくたびに、このひとと会って無いことをあれこれと云ったに違いない、このひとはそれを信じている。うち消さなければならない、本当のことを知って貰わなければ、……きらきら光る眼で、じっと相手をみつめながら、けんめいに自分を抑えておせんは云った。

「あの子は火事の晩に拾ったのよ、庄さん、親が死んじゃって、ひとりでねんねこにくるまれて泣いていたの、もうまわりは火でいっぱいだったわ、あたしみごろしに出来なかったの、――これが本当のことよ、庄さん、あたし約束どおり、待ってたのよ」