Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
橋の上の女 ――銭形平次傑作選2
野村 胡堂
Lee 橋の上の女 ――銭形平次傑作選2 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 88.573 caracteres · 178 pantallas
「あの橋の欄干の割れ目へ、釘を植えた野郎がわかりましたよ」
「誰だ、それは、大変なことだが」
「手代の伊太郎ですよ、二十一になったばかり、この野郎がそっと抜け出して昨夜の闇に紛れて橋の欄干に近づき、一寸近い釘を、逆に植えたことを、小僧の良松が見ていたと言うんだから、こいつは嘘じゃないでしょう」
「翌る日はお琴さんがあの橋の欄干を踏むんだ、そんな危ないものを、抜きも捨てもせずにそのまま帰って来たのか」
「その釘がどんな事になるか、それを見たかったんですって。お嬢さんが橋の欄干から引っくり返るのを、小僧に取っちゃ、見ておきたかったんでしょう」
「呆れ返った奴らだ、――手代の伊太郎は何んだって、そんな事をしたんだ」
平次は改めて訊きました。市井の雑事はわかるようでも、八五郎ほどは眼が届かなかったのです。
「へ、ヘッ、親分にもそれは見当が付かないでしょう、伊太郎は二十一だ。若くて良い男で、十七のお嬢さんにぞっこん参っている、――お嬢さんのお琴さんが、首尾よく日本橋の欄干を渡ったら、それから何うなると思います」
「――――」
「沢屋の借金は延びて、一日伸ばしに身上は立ち直り、お嬢さんはどこかへ嫁に行くかも知れない」