Clásicos japoneses con furigana
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いんじゅうトリステサ
橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇
橘 外男
Lee 橘外男ワンダーランド 人獣妖婚譚篇 (いんじゅうトリステサ) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 154.788 caracteres · 299 pantallas
の悔恨にも似た感情であった。気位は高く我儘ではあり、虚栄心は強く私にとってはまことに情ない妻ではあったが、まだそこまでは堕落してもいないであろう清浄な妻に向って、人間として考え得べからざる不潔千万な疑いをかけて、何にも知らぬ妻の留守の間に探偵に依頼して妻の秘密を発こうとすることは、私の方こそ獣よりもまだ劣った品性の持主のような気持がして、何とも言えず妻を冒涜するような………我が家でありながら、門口をはいるのに言い知れぬ後ろめたさを感じたのであった。
さてその日以来、どんなに私は、モネス探偵の約束してくれたその二週間目のくるのばかりを、待って待って待ち抜いたことであったろうか。探偵には一カ月でも二カ月でもお待ちするから、ゆっくり調べて欲しいと大きなことを言ったが、そんなことはただ言葉の上だけの綾だけであって、到底私の堪え得るところではなかった。たとえ妻は私に向って情ない真似はしていても、私としては自己の全愛を傾け尽している妻を疑いつつ、その挙動を探偵に監視させつつ、同一の家に起居していることのいかに心苦しいものであるかを、身に染みて感ぜずにはいられなかったのであった。