Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ウニデスちょうりゅうのかなた

橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇

橘 外男

Lee 橘外男ワンダーランド 幻想・伝奇小説篇 (ウニデスちょうりゅうのかなた) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 247.361 caracteres · 483 pantallas

Aozora Bunko

「さあ、十哩くらいでしょうかね……もうちょっと、あるかしら?」

「ハンセンさん、あなたはもう、帰っていいの、お客様は都合で、来られなくなったから、あなたはもうお帰りなさい。あ、ちょいとちょいと、これに署名してもらいたいんですって」

今の問答を、探偵の一人が書き留めておいた。それに相違ござなく候と署名をさせて、さて運転手は小首を傾げ傾げ、怪訝そうな顔をして立ち去ったが、これで夫人がどこへ脱出しようと図っていたかは、明瞭になった。

「どうですの、ノルビーさんと伯爵の奥様! これでもやっぱり税関の、正当な一時押収ですの?」

税関吏は青褪め切って完全に恐れ入ってしまったが、淑やかなはずの伯爵夫人が錺屋と洗濯屋の娘の本性を現して、手錠を嵌められた口だけは達者に、ソノ猛ること猛ること!

「雌狐め! よくもウマウマ一杯、食わせやがったな、畜生、人が初めから貴様を、探偵と知らなかったと思ってやがるのか! 土百姓の生まれ損ないの、薄ノロ犬め!」

といった調子であった。笑って取り合わなかったが、いよいよもって油紙に火のついたように、髪を逆立てて太腿も露にじだんだ踏んで眼を吊し上げた。