Clásicos japoneses con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lee 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 146.773 caracteres · 294 pantallas
二人が階下におりると間もなく、恭一も帰って来た。それまで、あまり機嫌のいい顔をしていなかったお祖母さんも、すると、急に顔がほぐれ出した。座はわりあいに賑やかだった。少くとも次郎には、何かしら、いつもより賑やかなように感じられた。
彼は今日の出来事を話し出すいい機会をねらっていたが、なかなかそれが見つからなかった。お浜は、そのことを忘れてしまっているかのように、お芳に向かって昔の話ばかりした。そして、
「今日学校でお会い出来たのも、ただごとではございませんよ。だって、生徒さんもずいぶん沢山でしょうのに、たまたま坊ちゃんが一人でおいでの時に、通りあわせるなんて。」
と、もうまえに何度も話したらしいことを、もう一度仰山に言った。それから、
「ああ、そうそう。」
と、次郎を見て笑いながら、
「さっきのお話、どんなことですの、乳母やのおかげで、ご本がどうとかって?」
次郎は、そこで、父の方を見ながら、今日学校でお浜にあってからの出来事をくわしく話した。何もかもかくさなかった。小刀のこともむろん話した。ただ室崎のことだけは、五年生とだけで名を言わなかった。朝倉先生をほめあげたのはむろんだが、室崎のことも、事実を話す以外には、決して悪くは言わなかった。