Clásicos japoneses con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lee 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 200.443 caracteres · 398 pantallas
(おしまいの、あの乱暴な打ちかたをやったのが、自分だということは、すでに先生に言っておいたのに、先生はどうしてそのことをはっきり言われないのだろう。もしそれが助手としての自分の立場をまもってくださるためだとしたら、自分はむしろ心外だ。大河もむろん心外に思っているにちがいない。)
かれは、そう思って、われ知らず眼をひらき、塾生たちの中に大河の顔をさがした。かれは塾生たちの静坐の姿勢を直したあと、朝倉先生の横に斜め向きにすわっていたので、よく全体が見渡せたのである。
大河は第五室の列の一番うしろにすわっていた。しかし、ただ静かに瞑目しているだけで、その顔からは、かれの気持ちがどう動いているかは、すこしもうかがえなかった。
朝倉先生は、それっきり口をつぐんでいる。次郎はいよいよ不安だった。もし先生の話がそれで終わったとすると、大河に対してはむろんのこと、あとでほんとうのことがわかった場合、他の塾生たちに対しても、このままでは決していい結果をもたらさないだろう。
かれは視線を転じて、そっと先生の顔をのぞいてみた。すると、ふしぎなことには、先生のいつもの端然たる静坐の姿勢がいくらかくずれている。