Clásicos japoneses con furigana
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
Lee 江戸情話集 (かごつるべ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 203.779 caracteres · 407 pantallas
おれも今引っ返して荷作りをして来たが、兄の指図を受けずともお身と家来どもの手でどうにかなろう。まあ、今晩ひと晩だけは兄を助けてやれ」
「どうにかなる程なら、わざわざ呼びにはまいらぬ」
「理屈っぽい男だ。何にも言わずに帰れ、帰れ」
「帰ろうと帰るまいと手前の勝手だ」と、源三郎は衝と起った。
強情に兄のあとを追って行こうとするらしいので、お染ももう見ていられなくなった。彼女は思わず起ち上がって源三郎の袂をとらえた。
「半さまもあのように言うてござれば、まあ、まあ、お待ちなされませ」
「ええ、うるさい。退いておれ」
源三郎は相手をよくも見定めないで、腹立ちまぎれに突き退けると、かよわいお染は跳ね飛ばされたようによろめいて、そこにある膳の上に倒れかかると、酒も肴も一度に飛び散った。半九郎もむっとした。
「やい、源三郎。年下の者と思ってよいほどにあしらっていれば、言いたい三昧の悪口、仕たい三昧の狼藉、もう堪忍がならぬぞよ。素直に手をさげて詫びて帰ればよし、さもなくば、おのれの襟髪を引っつかんで、狗ころのように門端へ投げ出すぞ」
彼も生まれつきは短気な男であった。しかも酒には酔っていた。