Clásicos japoneses con furigana
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えどげいじゅつろん
江戸芸術論
永井 荷風
Lee 江戸芸術論 (えどげいじゅつろん) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 85.130 caracteres · 167 pantallas
紅緑二色の間に藍色(青)を点じて、色彩の調和を破る事なく、巧にその画面を複雑ならしむるは清満が板画の特徴なり。清満は最初灰色がかりし濁りたる藍色を用ゐて調和を保たしめ、また全体に褐色の助けを借りて紅と緑を暗くし、その藍色を暗然たる橄欖色となすなど、常に藍色の応用に苦心したりしかど、かへつて純粋なる藍色をそのままに施す事は、後進者たる春信出でてこれを敢てせしより、清満もまたその例に傚はざるを得ざりき。
寛保末年より宝暦末年に至るまで凡そ二十年間、浮世絵師の色彩に対する観念の時々刻々発達するに従ひ、彩色板刻に対する経験も円熟し来れり。今や正に一大進歩を促さずんばあらず。二色摺紅絵の発明者と称せらるる西村重長の門人鈴木春信は石川豊信鳥居清満と相伍して多年三色摺の経験を積みしが、明和二年に至り、板木師金六なる者をして遂に見当摺と称して、各色に従ひ板木を別々にするの法を取らしめたり。従来二色摺(紅絵)三色摺と称せしは皆一枚の板木のみにより(清満の三色摺中には紅絵の板木の外になほ他の色板を用ゐたるものあり)色の上に色を重ねて、他の色を摺出せしものなるが、この度各色ごとに板木を異にするに及びて、自由にいかなる多数の色をも摺出す事を得るに至りぬ。