Clásicos japoneses con furigana
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うんのじゅうざはいせんにっき
海野十三敗戦日記
海野 十三
Lee 海野十三敗戦日記 (うんのじゅうざはいせんにっき) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 83.094 caracteres · 167 pantallas
恐ろしくはっきりと区別のついた別の世界がわれらの傍に出来た。こんなにはっきりと二つの世界が出現したのは始めての経験だ。松飾りも買わない正月(ヤミ屋をわざわざよろこばせてなにになるか)、かまぼこもきんとんも街には売っているが、うちにはない正月(高いだけではなく粗悪で、とても買って来て届けられないと魚屋さんがいう)、汁粉屋だ中華料理だ酒だ何だと街には並んでいるが、そっちへは近づきもしない正月(ちがった世界の人々のために用意されたものであろう)――前の正月は、何にもなくてあっさりしていたが、こんどの正月はものがたくさんあって、しかもそれは買えないか、インチキもので手出しをすると腹がたつ、いやな正月である。昔、話に聞いた上海(シャンハイ)、北京(ペキン)やイタリヤの町風景と東京も同じになったわけである。しかし、これから先の正月は、更にそれが激化するのではなかろうか。
◯ラジオを聴きながら寝る。菊田一夫構成の「五十年後の今日の今日」の苦しさよ。そのうち除夜の鐘がなり出す、東叡山寛永寺のかねがよく入っていた。
昭和二十二年
一月一日(曇)
◯五十一歳。英は三十九歳。