Clásicos japoneses con furigana
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うずまけるからすのむれ
渦巻ける烏の群
黒島 伝治
Lee 渦巻ける烏の群 (うずまけるからすのむれ) de 黒島 伝治 (くろしまでんじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 17.240 caracteres · 35 pantallas
二
「有がとう。」
「有がとう。」
「有がとう。」
子供達の外套や、袴の裾が風にひらひらひるがえった。
三人は、炊事場の入口からそれを見送っていた。
彼等の細くって長い脚は、強いバネのように、勢いよくぴんぴん雪を蹴って、丘を登っていた。
「ナーシヤ!」
「リーザ!」
武石と吉永とが呼んだ。
「なアに?」
丘の上から答えた。
子供達は、皆な、一時に立止まって、谷間の炊事場を見下した。
「飯をこぼすぞ。」
吉永が日本語で云った。
「なアに?」
吉永は、少女にこちらへ来るように手まねきをした。
丘の上では、彼等が、きゃあきゃあ笑ったり叫んだりした。
そして、少し行くと、それから自分の家へ分れ分れに散らばってしまった。
二
山が、低くなだらかに傾斜して、二つの丘に分れ、やがて、草原に連って、広く、遠くへ展開している。
兵営は、その二つの丘の峡間にあった。
丘のそこかしこ、それから、丘のふもとの草原が延びて行こうとしているあたり、そこらへんに、露西亜人の家が点々として散在していた。革命を恐れて、本国から逃げて来た者もあった。前々から、西伯利亜に土着している者もあった。
彼等はいずれも食うに困っていた。