Clásicos japoneses con furigana
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らどうせんせい
潤一郎ラビリンスII――マゾヒズム小説集
谷崎 潤一郎
Lee 潤一郎ラビリンスII――マゾヒズム小説集 (らどうせんせい) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 16.093 caracteres · 33 pantallas
けれどもそれも腑に落ちないようなところがあって、足の秘密は今以て疑問に属している。―――
「へゝえ、面白いですなあ。そう云う訳なら一つ私が探索してみてもよろしゅうございます。」
「う、………うん、………そうして貰いたいんだが、………」
「なあに、訳はありません、幕内の者に聞いてみれば直ぐ分ります。」
「新聞に書きはしないかい?」
「大丈夫書きはいたしませんよ。鼻がふがふがだなんて、そんなことを書いたら可哀そうですからなあ、あれだけの美人を。」
その晩先生は新聞に出さないことゝ、探索の結果を忘れずに報告してくれることゝを、まどろっかしく、くどくどと、頻りに記者に念を押した。上野で記者に別れを告げて省線電車に乗る時にも、
「ではいゝかね、頼んだぜ。」
と又繰り返した。
蘿洞先生と鼻ふがの美人の女優、―――此れは誰でも好奇心を起さずにはいられない事件である。三面記事として破天荒の珍種であるのに、新聞に書けないのは残念だと思いながら、記者も面白半分に探索の歩を進めて、その後幕内の俳優たちにそれとなく様子を尋ねてみると、彼女が鼻ふがであることは正しく蘿洞先生の推定の通りであった。