Clásicos japoneses con furigana
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はいいろのあねとももいろのいもうと
灰色の姉と桃色の妹
小川 未明
Lee 灰色の姉と桃色の妹 (はいいろのあねとももいろのいもうと) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 3817 caracteres · 8 pantallas
けれどそのときは、内部はしんとして人影がなかった。ちょうどそこへ、五、六人の子供らがやってきて、ガラス戸の内側をのぞいていました。路の上には、黄色なちりほこりが、かすかな風にたっていました。
姉はその子供らをながめていました。その中に一人、かわいらしい男の子がありました。黙って、真紅に咲き誇ったぼたんの花を見ていました。姉は、なんと思ったか、足音のしないように静かに、その子供のそばに近づきました。そして、氷のように冷やかな唇で、子供のりんごのようなほおに接吻しました。ほかの子供らは、そのことには気づかなかった。すると、たちまちその子供の顔色は真っ青に変わってきました。
「気分が悪くなった。」といって、子供は、みんなに別れて家に帰って、そのまま倒れてしまった。
姉は、独り心の中で微笑んで、町を静かに歩いて去りました。
そこには、大きな呉服屋がありました。出たり、入ったりする人々で、そこの門は、黒山のようにぎわっていました。姉は、多くの人々の間に交じって、妹は、その中にいないかと探したのであります。派手好きな、そしてこういうところを好む妹は、きっとここに立ち寄ったにちがいないと思ったからであります。